固定資産税とは
不動産所有者の土地・建物にかかる地方税。
毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に登録されている土地・建物の固定資産所有者が支払うものです。土地・建物の価格をもとに税額が算出されます。固定資産が所在している市区町村(東京都23区内においては、都が課税)が課税します。
土地には宅地のほかに田畑、牧場、山林、原野などが含まれます。建物は住宅だけでなく店舗、工場、倉庫などが含まれます。
固定資産税の計算方法
固定資産税は、所有する固定資産の評価額(課税標準額)に、標準税率となる1.4%を掛けて求めます。また、市町村によっては1.4%以上の税率を定めることもできます(1.5%や1.6%)。
固定資産税の計算式
固定資産税=評価額(課税標準額)×1.4%
課税標準とは各市町村の固定資産課税台帳に表示されていう固定資産税評価額のことで、3年ごとに改訂されます。固定資産税評価額は公示価格の7割程度が基準となっており、実勢価格は公示価格の1.1倍程度になることが多いといわれています。
申告は必要なく、毎年4~6月に市町村が郵送で「固定資産税納税通知書」が届きます。
土地の評価額
土地の評価額は、路線価を基に計算します。固定資産税路線価とは、「道路に面した標準的な宅地1㎡あたりの土地の評価額」のことです。固定資産税評価額は「固定資産税路線価」×「所有する土地の平米数(㎡)」で求めることができます。例えば土地を60㎡所有していて、前面道路の「固定資産税路線価」が50万円だとすると60×50=3,000万円が土地の評価額です。固定資産税路線価は全国地価マップ https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal で誰でも簡単に調べられます。
マンションの場合は敷地全体の評価額に自分の持ち分を乗じ数字になります。例えば「総世帯10戸、敷地面積は30坪、固定資産税路線価30万円 区分所有の割合が10%」の場合は30万円×30坪=900万が敷地全体の評価額。これに自分の持ち分割合の10%を乗じた90万円が固定資産税評価額になります。
建物の評価額
家屋の評価額=評点1点あたりの価額×床面積×単位面積あたりの再建築費評点×経年減点補正率
上記の様に家屋の計算式は非常に複雑です。自宅の価値や面積は、設備や経過年数など複数の要素を考慮して計算しなければなりません。評価1点当たりの価額は設置されている設備を表し、再構築費評点とは家を作り直した時にかかる費用を指します。
これに床面積や経年劣化による補正率をかけなければならないため、自分で計算するのは難しいです。そのため、家屋の評価額を求める際には、簡易的な計算方法として購入価額の70%を概算の評価額とする場合があります。
細かく計算するのは難しいため、家屋部分は購入価格の70%の概算で評価額を算出し、それに固定資産税税率をかけて求めるとよいでしょう。
評価額が2,000万円の物件の場合
2,000万円のマンションの条件
- 土地の評価額1500万円
- 建物の評価額500万円
- 土地の持ち分50㎡
- 築10年
- 床面積は54㎡
土地の軽減措置
土地割合が200平米以下は、固定資産評価額×1/6を課税標準額に軽減
建物の軽減措置
築5年以内であれば以下の条件を満たすことで、床面積120平米までの評価額が1/2になります。
- 2022年3月31日までに建てられたもの(※)
- 床面積50平米以上280平米以下
- 居住用部分が1/2以上
- 3階建て以上、耐火/準耐火構造
築5年を超えた中古マンションの場合は、新築のように家屋部分の軽減特例は受けられません。
評価額2,000万円の例で計算
土地の固定資産税額
今回の例では土地が200㎡以下であるため1/6の軽減措置が適用されます。
1,500万円×1/6×1.4%=35,000円
建物の固定資産税額
500万円×1.4%=70,000円
土地建物の固定資産税額
土地35,000円+建物70,000円で合計105,000円が固定資産税額になります。
まとめ
- 固定資産税は毎年かかる税金です。購入前に確認しましょう。
- 土地の評価額は、上記の様に簡単に算出できる。
- 建物評価額の計算式は複雑なので、正確な数字は業者さんに訊きましょう。