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2分でわかる「新築プレミアム」

新築プレミアムに注意

新築物件の家賃は、周辺相場より高く設定することが可能です。短期的にはいいことですが、中長期の経営を見据える場合は注意が必要です。 新築プレミアムは「新築マジック」ということもあります。

新築プレミアムとは

「新築」の定義

「新築」とは、「建物が完成してから1年を経過しておらず、かつ誰もまだ使用していない状態の物件」のことです。しかし完成してから誰も住んでいなかったとしても、完成後1年を経過すれば新築ではなく「未入居」として扱われます。また完成後1年未満であっても、その物件に誰かが入居すれば「中古」扱いとなります。

新しいものにはプレミアムがつく

売っている物は、通常「新しい」「新品」が一番高いです。身近な例では、車が分かりやすいのではないでしょうか。新車を300万円で購入して一度も使用しなかったとします。すぐ売りに出して新車と同額の300万円で売れるかというと、売れません。物質的には何ら変化がなくても、「誰かが一度購入」すれば、「手垢がつき」、それは中古になってしまいます。

収益不動産の新築プレミアム

新築収益不動産の場合は、「新築プレミアム」です。賃貸市場では、「新築物件」はポテンシャルよりも高く家賃設定が可能です。10%~20%も上乗せできます。

新築プレミアムの注意点

新築プレミアムは最初の1回だけ

気をつけたいのは、「新築プレミアムは最初の1回だけ有効」という点。1年で退去者が出てしまった部屋は、次の募集は最初の金額では決まりません。新築で入居した場合の平均居住年数は3年から5年。ですから、4年目5年目辺りで「新築プレミアム」は終わると思っていた方がいいです。

利回りの変化に注意

新築プレミアムが終了すれば、当然ながら総賃料は減少します。そうなると購入前に不動産業者さんからもらった物件概要書の利回りや収支計画書の数字が変わります。その時に収支や利回りがどうなるのかあらかじめ想定しておく必要があります。

新築収益アパートでの例

・購入価格1億5360万
・総戸数8戸
・平均賃料8万円
・表面利回り5%
・融資期間30年
・金利1.5%
・年間返済額:約636万円

新築プレミアム期間の賃料    8×8×12=768万
新築プレミアムが終わり中古になったときの賃料   7.2×8×12=691万円

※新築プレミアムとして、周辺相場より10%高かった場合


年間賃料収入の差は77万円。
表面利回りは(691÷15360=0.045)4.5%になりました。


キャッシュフロー(諸経費・空室率は加味しない場合)
プレミアムの期間    768万円-636万円=132万円  
プレミアム期間終了~  691万円-636万円=55万円

まとめ

このように、収益物件の購入を検討する際は「新築プレミアム」期間後の数字を把握するようにしてください。
期間後の適正家賃は、収益物件を所有するエリアで築10年・同じ広さ・駅からの距離など同程度の物件を大手検索サイトで調べれば分かります。

収益物件の維持には返済以外の経費(固定資産税・管理費・退去時リフォーム・募集費・設備点検費など)も発生します。

経費率はざっくりですが、新築から7年目くらいまでは賃料の15%。それ以降は20%として計算するのが安全です。  

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