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すぐ分かる!積算評価の計算方法

積算評価を知る

銀行が融資審査の際、担保となる物件の価値を求める「積算評価」。この「積算評価」の内容と計算方法を覚えておきましょう。

積算評価とは

積算評価とは、「今、この土地を購入して全く同じ建物を建てた場合の価格」を求める評価方法で「原価法」と呼ばれることもあります。土地は路線価を基に、建物は構造別に定められた「再調達価格」を基に算出します。こうして計算して出てきた価格は「再調達原価」呼ばれます。

金融機関の主な評価方法は「積算評価」です。その理由は、「債務者が返済不能になった場合、融資した担保物件いくらで売れる」「どのくらい回収できるか」かが重要だからです。 したがって金融機関では、「積算評価」が重視され、融資の可否や融資額の上限を決める際の重要な指標の一つとなります。

積算評価の求め方

「積算評価」は、土地と建物を別々に評価し、それらを合算した価格です。それぞれの計算方法は次の通りです。

土地評価額の計算方法

土地評価額=対象となる土地の路線価×土地の平米数

路線価は国税局が定める土地の評価額で、毎年1月1日時点の土地の価格です。「相続税路線価」とも言われます。毎年7月に公表され、道路1本1本に価格が定められています。対象となる土地の前面道路の値が「路線価」となります。

路線価は「全国地価マップ」で簡単に分かります。 

 東京タワーのある場所に土地20坪があったと仮定しましょう。 全国地価マップで東京タワーの住所を入れると以下のマップが表示されます。 路線価は対象となる物件の前面道路の価格が基準です。この例の場合、「東京タワー通り」と書いてある下の青い線の価格が路線価です。青い線を左に辿っていくと円の中に「1650」と記載があります。この数字が路線価になります。「1650」は165万円です。

ここに20坪の土地を所有している場合の「土地の積算評価額」は、165万円×66.11㎡(20坪)=10,908万円です。

建物評価額の計算方法

建物の評価額は次の計算式で求めます。

建物評価額=建物の延床面積×再調達価格×(残耐用年数÷法定耐用年数)

再調達価格とは、対象不動産の建物を現時点で建てた場合の価格で、建物の構造によって、単価が定められています。金融機関によって異なりますが、概ね次の通りです。

構造別 再調達価格と法定耐用年数
構造 単価(㎡あたり) 法定耐用年数
鉄筋コンクリート(RC) 20万円 47年
重量鉄骨 18万円 34年
軽量鉄骨 15万円 27年(肉厚によって異なる)
木造 15万円 22年
実際に計算してみましょう

RC築15年・建物面積200㎡の場合 ・再調達価格は20万円 ・残耐用年数は「RC法定耐用年数47年-経過年数15年=32年

建物評価額=200×20÷47×32=2723万円

例題

Q.上記東京タワーのある場所の「土地90㎡・木造築15年140㎡の建物」の積算評価額を求めてください。

A.90×165+140×15÷22×7=土地評価額14850万円+建物668万円=15518万円

まとめ

銀行は積算評価重視ですので、例えば、「売買価格」<「積算価格」であれば、融資審査が通りやすい物件だな、ということが分かります。また、積算評価の高い物件は売るときにも有利です。 検討したい物件が出てきたときは、積算価格はいくらなのか計算する習慣をつけましょう

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