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これでスッキリ!収益評価の計算方法

収益評価

金融機関が求める評価は2種類。一つは「積算評価」そしてもう一つは「収益評価」です。今回は「収益評価」について解説します。

収益評価とは

積算評価は、路線価をベースに「対象となる不動産の担保価値」を求める評価です。一方、「収益評価」は賃料収入をベースにして、「その物件にどのくらい稼げる力があるか」を求める評価です。金融機関では「積算評価」「収益評価」両方を評価しますが、重視されるのは「積算評価」です。その理由は、債務不履行などにより担保物件を取得した際、すぐ売って回収できるのはいくらか、という点が大事だからです。

収益評価では何を見るのか

では、金融機関は「収益評価」で何を見ているのでしょうか。 それは、「予定される家賃収入にストレスをかけ、そのストレス下でもローン返済が可能かどうか」という点です。

ある地銀の評価方法

総家賃収入×80%  > 「貸付金利+2%」の返済額
家賃収入にストレスをかける

不動産運営には様々な諸経費がかかります。また、入退去などを考慮すると稼働率が100%は実現が難しいのが現実です。その「諸経費+空室損」を20%と見込み、総家賃収入から差し引きます。

金利にストレスをかける

現在の低金利はいつまで続くか分かりません。インフレなどにより金利が上昇する可能性は否定できません。そこで金融機関は、融資の金利に2%足した金利でも、返済ができるかどうかを見ます。

返済比率が重要

上記の「総家賃収入×80% > 融資金利+2%」は大前提です。 そして融資をスムーズに受けるためには、「返済比率」が重要です。

返済比率とは

返済比率=毎月の返済額÷毎月の収入

返済比率は低いほど「優良で安全な物件」と言えます。

銀行が求める返済比率

返済比率は「50%」を超えないことが金融機関の収益評価クリアの目安となります。

実際の物件で計算してみる

大手検索サイトにある利回り6%の物件で計算してみましょう。

物件概要

価格:13800万円 賃料:71万円/月 ローン条件 融資額:13800万円 期間 :30年 金利 :1.5% 返済額:48万円/月

家賃収入71万円×80%=56.8万円 < リスク金利3.5%の返済額=61.9万円
返済比率   48万円÷71万円=67%

この物件では、大前提をクリア出来ず、返済比率目安の50%も超えてしまいました。

収益評価のマイナスをカバーするのが「属性」

上記の物件の融資は厳しくなりそうですが、元々金融機関の評価は固く固く慎重な数字になっているので、他の物件でもクリアするのが難しい場合が多いです。それをカバーするのが「属性」です。 上記の例で返済比率を50%未満にするためには、毎月125,000円不足しています。この不足分を給料などの収入でカバーできると判断されれば、融資審査は一歩進むでしょう。あるいは多額の金融資産があれば、頭金を入れるなどの方法で融資が通る可能性は高まります。

ただし、投資規模の拡大を狙うのであれば、なるべくキャッシュアウトを避け「収益評価」「積算評価」のバランスを考慮して投資を行いたいものです。

まとめ

収益評価についてご説明しました。 一般的に駅近や都心に近い物件ほど積算評価は低く、収益評価は高くなります。 一方、駅から遠い物件や郊外物件は積算評価が高いですが、収益性は都心物件に劣ります。

これは、駅近・都心に近い物件ほど「土地が狭い」からです。 土地の面積が広いほど、積算評価は高くなる傾向があるので、その点で郊外物件は有利です。 しかし、駅近や都心に近い物件は、積算が少々劣っても高い家賃設定ができ、空室率は郊外物件よりも低いため、収益性に安定感があります。

気になる物件があったら「収益評価」「積算評価」を自分で計算する習慣をつけましょう。複数棟購入を狙う場合も、融資戦略上、積算に偏ったり収益だけに偏らないよう両方のバランスに注意してください。    

 

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