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空室対策

3点ユニットバスのリフォームは必要か

空室対策で3点ユニットバスのリフォームは絶対に必要か

空室対策には、やってはいけないことがあります。その中の一つが「費用対効果が低い対策」です。

ネットで調べてみると、多種多様な空室対策が出てきます。それらは正しいところもあれば、間違っているところもあります。なぜなら、Aという物件には有効でも、Bという物件にはそれほど有効でない場合もあるからです。

今回は、「空室対策」で3点ユニットのリフォームについて考えてみましょう。  

物件により空室対策は異なる

オーナー様よりご相談がありました。他社さんで管理している物件について、3点ユニットのリフォームが必要かどうかを教えてほしいという内容でした。物件の概要は次の通りです。

  • 駅徒歩3分
  • 築30年RC
  • 25㎡
  • 3点ユニットバス
  • SOHO可能
  • 家賃92000円

家賃は駅徒歩5分の物件と変わらない金額。 空室期間はそれほど長くなることはなく、これまでは退去後1ヶ月程度で次の入居者さんが決まっています。今回3年ぶりに退去者がでました。

次の募集条件を管理会社さんと打ち合わせした際、担当の方から「こちらの物件は、3点ユニットです。3点ユニットは入居者さんがもっとも嫌だと感じるので、次の入居者さんを入れる前にお風呂とトイレを分ける工事をした方がいいです。」と言われました。

ネットで調べて3点ユニットは「和式トイレ」に次いで不人気であることは理解しているとのこと。また、そもそも3点ユニットだと、検討候補から除外する人も多いので必ずやった方がいいと書いてあったそうです。

費用を確認してみる

そこで、管理会社の担当者さんと再度打ち合わせをしていただき、3点ユニットのリフォームの見積もりを出してもらいました。

リフォームの内容と費用

提案された内容と費用は次の通り。

工事内容 費用
浴槽とトイレの間にセパレーターを設置 20-30万円
バストイレを分離型ユニットバスに交換 60-80万円
3点ユニットを「トイレとシャワールーム」に変更 60-90万円
バス・トイレ・洗面を別々の場所に設置 100-200万円
新しい3点ユニットに交換 50-80万円
1.浴槽とトイレの間にセパレートを設置

費用は安いがもともとある浴槽とトイレの間に専用の板を設置するだけなので、別室という感覚はない。募集では、「バストイレ別」と書けるので内見数は若干上がるかもしれない。

2.バストイレを分離型ユニットバスに交換

現在の3点ユニットをバストイレが分離しているユニットに交換。分離させる目的は達成するが、もともとあった浴槽と比べると大分小さくなってしまう。

3.3点ユニットをトイレとシャワールーム変更

もともとある3点ユニットのサイズが小さく分離が困難な場合や、20代の学生などがターゲットの場合。お湯を張って入浴しなくてもいいという人もいます。最近の狭小新築アパートでは、このタイプも珍しくありません。

4.バス・トイレ・洗面を別々の場所に設置

一番望ましいリフォームだが、費用が高い。また、トイレを分離して新設する場合には、約1畳ほどのスペースが必要。クローゼットや部屋の一部のスペースを使うため、ある程度の広さが必要。

5.新しい3点ユニットに交換

スペースや配管などに問題があり分離が難しい場合には、3点ユニットをそっくり交換する方法もあります。

費用対効果は

上記1、2はリフォームを行なっても、効果が薄いので、ここでは、次の3つの方法で考えてみます。実際には難しいかもしれませんが、リフォームを行なって賃料を2000円アップできると想定してみます。費用は中間値で計算します。

リフォームの費用と回収期間

・3点ユニットをトイレとシャワールーム変更 ・バス・トイレ・洗面を別々の場所に設置 ・新しい3点ユニットに交換

工事内容 費用 賃料アップ 回収期間
3点ユニットをトイレとシャワールーム変更 75万円 2000円 31年
バス・トイレ・洗面を別々の場所に設置 150万円 2000円 62年
新しい3点ユニットに交換 65万円 2000円 27年

リフォームをするべきか否か

わたしたちは、このリフォームについて、現在はしない方がいいとお伝えしました。

その理由は、この物件は、徒歩1分でSOHO可能の物件だからです。3点ユニットのデメリットはありますが、それを補う立地の良さがあります。また、費用の回収にとても長い年月が必要なことも理由の一つでした。

入居者さんには、実に様々な方がいます。「駅近だから3点ユニットは妥協しよう」と考える人がいれば、「3点ユニットは絶対嫌だ。駅から離れていてもバストイレ別がいい」と考える人がいます。 「3点ユニットは絶対嫌だ」という入居者さんはターゲットから外して、「駅近が希望する条件のトップ」の人のみターゲットにすればいいとご説明しました。

駅徒歩10分の物件の場合は

駅徒歩10分は、競合も多く3点ユニットは大きなデメリットです。この場合は「空室期間」と「工事費」のバランスで考えます。

何もしなければ「3点ユニットでないライバル物件」に苦戦することは間違いありません。仮に「家賃が8万円でリフォーム費用が80万円」だとすると10ヶ月の空室期間に相当する金額です。対策をしなければその位の空室期間は覚悟する必要がありそうです。

この場合は、リフォームを積極的に検討した方がいいと言えるでしょう。

まとめ

入居者さんが求めるものは、人によって変わります。 全ての人の要求を叶えようとすると、宅配ボックス・Wi-Fi無料・モニターインターフォン・オートロック・24時間利用可能ごみ置き場などなど莫大な費用がかかります。 足りない設備があるときは、優先順位をつけて費用と効果を検証してみましょう。

もう一つ大事なことは、投資不動産として「3点ユニットバスの物件は購入しない」と決めることだと思います。

 


  当社は、「猫共生」「猫可」物件専門の不動産会社なので、空室対策に「猫共生物件」をお勧めしています。ちなみに冒頭の物件は3点ユニットのリフォームは行わず、「猫共生物件」にリノベーションして家賃5,000円アップできました。リノベ費用は28万円でした。  

 

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